企業家と資本家について

 シュンペーターの経済理論から企業家と資本家をみると、本当の意味での企業家と資本家は、動態経済においてのみ現れると考える。

静態的経済における経済主体は、本源的生産要素の所有者である労働者と地主のみであるため、企業家と資本家が存在しないから、彼らに特有の所得(企業者利潤と利子)も存在せず、すべての生産物価値は、労働用

役と土地用役の価値の合計に等しくなる。

また、もし一経営の指導者あるいは所得者を企業者と名づけるならば、その企業者は特別の機能も特別の所得も持たない、利益も損失も受けない企業者であろう。

ということがわかる。

つまり、経済発展の担い手が、「新結合」(イノベーション)を遂行するのがシュンペーターの企業家である。

さらにシュンペーターは、「企業家は決して危険の負担者ではない。

」と企業家と資本家を明確に区別している。

このような企業家観をもったシュンペーターは、様々な業績を残したにもかかわらず、文化の違い、社会の違いなどから、理解されざる一生に終わった。